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ニュースリリース | 日本格付研究所 JCR 16d0130 3

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16- D- 0130 201 6 年 5 月 2 6 日

情報サ

大手各社の 16/ 3 期決算の

注目点

情報サービス大手 5 社(NT Tデータ、野村総合研究所(NRI)、伊藤忠テクノソリューションズ(C T C )、ITホ ールディングス(IT HL D)、SC SK )の16/ 3 期業績および17/ 3 期業績見通しなどを踏まえて、現況に関するJ C R の認識と格付上の注目点を整理した。

業界動向

経済産業省の特定サービス産業動態統計によれば、15年度の情報サービス事業者の売上高は 10 兆 7, 951 億円(前年度比 1. 5%増)と 4 年連続の増加となった。リーマンショック時に IT 投資を抑制した多くの企業 でシステム更新需要が発生しているほか、みずほフィナンシャルグループや日本郵政グループにおける大規 模システム開発案件、マイナンバー制度への対応により堅調な IT 投資が継続された。そのほか、流通業で のオムニチャネル対応、製造業でのグローバルサプライチェーン対応なども好調であり、業務を効率化する だけではなく、事業の競争優位性を確保・拡充するための戦略的 IT投資も拡大している。

経済環境の変化などに注視は必要であるものの、電力・ガスシステム改革といった公共分野での IT 投資 の拡大が見込まれるほか、ビッグデータ、IoT (Internet of T hings)など新技術領域に関する IT投資への期待 感も強まっており、当面は堅調な IT 需要が見込まれる。しかし、①A WS(A mazon Web Services)などパブ リッククラウドの普及によりシステムの「所有」から「利用」へのパラダイムシフトが生じていること②国 内企業のグローバル化に伴い IT 投資が海外へシフトしていること―など外部環境に変化が生じていること に加え、更新需要の一巡や前述の大規模案件の終息後には国内 IT 需要は弱含む可能性がある。中長期的に 情報サービス事業者が成長を遂げるためには、こうした変化への対応が必要であり、各社の取り組みが注目 される。

決算動向

16/ 3 期は集計対象 5 社合計で、売上高 3 兆 1, 346 億円(前期比 6. 0%増)、営業利益 2, 433 億円(同 13. 7% 増)と増収営業増益で、売上高営業利益率は 7. 8%(同 0. 6 ポイント上昇)となった。個社別にみても、全 5 社が増収となり、C T C を除いた 4 社で営業増益、営業利益率が上昇するなど総じて好調な決算であった。特 に 制 度 改 正 、 シ ス テ ム統 合な ど の IT 投 資 が 活 発 で あっ た 金 融 分 野 の 貢 献 が大 きく 、 NT T デ ー タ 、 NRI、 SC SK は金融セグメントで増収増益となった。流通・製造業をはじめ他分野の需要も総じて堅調で、IT HL D では電力・ガスシステム改革に伴うエネルギー分野が、C T C では携帯キャリアの設備増強案件が好調に推移 した。これらの結果、営業利益はNT T データが前期比 20. 1%増、IT HL Dが同 15. 7%増、SC SK が同 13. 5% 増、NRI が同 13. 2%増と 2 桁増益となった。一方、先行投資のため研究開発費などが増加した C T C は同 4. 8%減となった。

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格付上の

注目点

17/ 3 期は 5 社合計で売上高 3 兆 2, 050 億円(前期比 2. 2%増)、営業利益 2, 565 億円(同 5.4%増)で、個 社別でも全社が増収営業増益の予想である。なお、NT T データについては、16 年 3月に Dell Inc. から Dell Services 部門を譲り受けることを合意したと発表したが、買収効果を業績予想に反映していない。足元、顧 客企業の IT投資マインドが比較的良好であるが、業績予想の達成に向けて以下の 3 点に注目している。

第 1 点は不採算案件の抑制である。16/ 3 期は NRI、C T C が不採算案件の発生金額を減少させた一方、NT T データ、IT HL D、SC SK では増加あるいは横這いとなった。新規顧客・新領域での受注や新技術を活用する場合には 不採算化する可能性は高まるが、既存顧客・既存案件で不採算化した例もあり、依然として不測の不採算案件が発 生するリスクは残る。各社が受注前審査やプロジェクト監理などのリスクマネジメントを強化していくことを 引き続き課題として挙げているが、取り組みの効果は長期的に見ていく必要がある。今後、各社が不採算案 件を適切にコントロールできるか注目している。

第2 点は収益性の維持である。足元、特定のスキルを持つシステムエンジニアなど国内の技術者不足によ り外注単価が上昇傾向にある。また、オフショア開発でもコミュニケーションの問題、現地の人件費単価の 高騰などによりコストメリットが低下している。こうした中、人件費の安い地方都市の開発力を活用するニ アショア開発体制の構築、短納期・高品質でのシステム開発に寄与する自動化ツールの活用といった生産性 の向上を図る取り組みに注目している。

第 3 点は買収した会社の収益貢献である。海外での事業基盤強化、ノウハウの獲得を目的に NT T データ は国内外で企業買収を推進しており、16 年 3 月には Dell のサービス部門の買収を発表した。NRI も今後 3 年 間で約 500 億円の M&A を想定している。現状ではのれんの償却負担が重く、収益への貢献は限定的である が、今後、①既存顧客の海外 IT 投資需要の取り込み②既存事業における海外でのマーケット開拓③買収子 会社のノウハウ活用による新技術領域の強化―などのシナジー効果を発現し、収益貢献を果たせるか注目し ている。特に、NT T データによるDell のサービス部門への投資額は過去最大の 3, 055 百万US ドルにのぼり、 投資集中のリスクが高まっている。買収した会社の収益が想定通りに推移しない場合、のれんなどを減損損 失として計上する可能性があり、これらの収益状況にも注視していく必要がある。

(担当)本西 明久・安部 将希

(図表1)情報サービス事業者の売上高推移

9 10 11 12

05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15

(兆円)

(年度)

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(図表2)大手 5 社の業績推移 (単位:億円、%、倍)

決算期 売上高

営業

利益

営業

利益率

経常

利益

当期

純利益

有利子

負債

自己

資本

DER

自己資本

比率

NTT データ ( 9613)

15/ 3 期 15, 118 840 5. 6 779 321 4, 391 7, 735 0. 57 42. 4 16/ 3 期 16, 149 1, 009 6. 2 982 634 4, 004 7, 409 0. 54 39. 8

17/ 3 期予 16, 500 1, 050 6. 4 990 580 - - - -

NRI ( 4307)

15/ 3 期 4, 060 515 12. 7 529 389 641 3, 894 0. 16 65. 6

16/ 3 期 4, 214 583 13. 8 610 426 635 4, 115 0. 15 66. 2

17/ 3 期予 4, 350 620 14. 3 640 435 - - - -

CTC ( 4739)

15/ 3 期 3, 819 293 7. 7 - 174 191 1, 689 0. 11 55. 8

16/ 3 期 3, 916 279 7. 1 - 180 164 1, 793 0. 09 58. 2

17/ 3 期予 4, 000 300 7. 5 - 195 - - - -

I T HLD ( 3626)

15/ 3 期 3, 610 211 5. 9 213 103 521 1, 844 0. 28 53. 3

16/ 3 期 3, 827 244 6. 4 245 127 445 1, 765 0. 25 52. 5

17/ 3 期予 3, 900 265 6. 8 260 150 - - - -

SCSK ( 9719)

15/ 3 期 2, 976 280 9. 4 307 156 550 1, 325 0. 42 39. 6

16/ 3 期 3, 239 318 9. 8 336 270 500 1, 454 0. 34 41. 2

17/ 3 期予 3, 300 330 10. 0 340 250 - - - -

5 社計

15/ 3 期 29, 584 2, 140 7. 2 - 1, 143 6, 295 16, 486 0. 38 48. 5 16/ 3 期 31, 346 2, 433 7. 8 - 1, 637 5, 748 16, 537 0. 35 47. 5

17/ 3 期予 32, 050 2, 565 8. 0 - 1, 611 - - - -

(出所)各社 IR 資料より J C R 作成

(注)C T C :有利子負債=その他の金融負債+長期金融負債と定義

NT Tデータ、NRI、IT HL D、SC SK :有利子負債=短期借入金+社債+長期借入金と定義

【参考】

発行体:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

長期発行体格付:A A + 見通し:安定的

発行体:IT ホールディングス株式会社

長期発行体格付:A - 見通し:安定的

発行体:S C S K 株式会社

長期発行体格付:A 見通し:安定的

■留意事項

本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また

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発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ

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■NR S R O 登録状況

J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ

スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。

■本件に関するお問い合わせ先

参照

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